■詩人、棘、あなた■

あなたは私に問いました。
何故 詩を書き続けるのか、と。
私は答えました。
人への憎しみや怒りを 文字という棘に変えて
そっとそっとばら撒くためだと

そう。

あなたは一言だけ答えて、
寂しげに微笑み私のもとを去っていきました。

もしもあの時
あなたに寂しい顔をさせたのが私の言葉なら
今私はそれを悔やんでいます。
そして
私ははじめて 憎しみ以外の詩を書くことになるのです。