■伝書鳩■

あたしは籠の鍵を開けて
そっと鳩を空に逃がしました
あたしの想いを縛り付けて
鳩はそっと飛び立ちました
彼は どこへ行くのでしょう
何も知らないまま
他人の想いを縛り付けられて
どこへ飛んで行くのでしょう
彼の想いは どこにあるのでしょう
もしかしたら
誰にも気づいてもらえないまま
朽ちてしまうかもしれないのに

あたしの想いを縛り付けて
鳩はそっと飛び立ちました