■自転車■

白いカーテンが 夕日に舞って
「こんなところに閉じこもってないで 外へ」
夏もそろそろ終わりだね
自転車にまたがって
海まで行こう


角を曲がって
風と一緒に長い坂を思い切り下って
夕方の誰もいない海に

言えなかったままの言葉
捨てたもの 無くしたもの
傷跡 悲しみ 怒りとか
流せなかったままの涙も

全部サイフと一緒にリュックに詰めて
自転車にまたがって
波の光を追い越して
洗い流しに行こう
夕方の誰もいない海に
全部全部

今は一人で
そのうち後ろに誰かを乗せて
そのうちまた一人に戻って
そんなのもまた青春

このまま海の上を渡って
海の向こうまで行けそうな気がちょっとした